杉本拓と佳村萠
『Live in Saritote』
(ftarri|ftarri-993)
曲目: 1. Stairs (3:11)、2. Choucho (0:54)、
3. An Angel Passes (1:49)、 4. Three Words (1:19)、
5. A Chair 3 (1:18)、6. Saritote (2:39)、
7. A Minor/Three Words (5:50)、8. Because It Breezed (0.50)、
9. A Wind (1:04)、10. Inner Muscle (0:26)、
11. A Chair 2 (1:57)、12. Stay It Fragile (0:47)、
13. Fragile It, Stay (0:56)、14. Vexations (4:58)、
15. Inner Muscle (0:42)、16. Ino-Shika-Cho (7:36)、
17. Sato-kun (1:43)、18. Vexations (1:17)、
19. Hitori de Sabishi (3:24)、20. Macaroni (0:52)、
21. Sweet Melody A (1:33)、22. Ozouni Song (0:30)
(total time: 45:37)
演奏: 杉本拓(guitar, voice) 佳村萠(voice, words)
Guests: 池田武史(percussion, voice) 江崎将史(trumpet, voice)
竹内光輝(flute, voice)
録音: 2010年5月~2013年1月
場所: 大阪「コモンカフェ」、岡山「蟲文庫」、東京「ループライン」
「カラードジャム」「現代HIGHTS」「キッドアイラックアートホール」、
ニューヨーク「Issue Project Room」
デザイン: 杉本拓、佳村萌
発売:2013年7月
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佳村萠の声と杉本拓のギターが、インティメートで皮膚感覚的、あるいは触覚的な音のアンサンブルを編みあげながら、対位法的にからんでいく「さりとて」の音楽。2010年から13年にかけ、彼らが各地でおこなったライヴを一枚にまとめたアルバムがリリースされた。「Live in Saritote」は「Saritote in Live」の間違いじゃないの?という、素朴な疑問をいだかせるタイトルは、 『さりとて』『さりとて2』という、内容がそのままタイトルになったような前二作に対し、本盤が一般に聴かれることを意識して、「さりとて」がユニット名ではないことをあらためて宣言したものだろう。その意に沿うならば、「さりとて」は、「さりとて」プロジェクトとでも呼ぶのがいいかもしれない、楽曲はほぼ録音順に並べられており、ここ数年のユニットの変化を刻印しているはずだが、ルチアーノ・ベリオとキャシー・バーベリアンの関係がそうであるように、ある声があってなされる作曲という絶対的な関係性にあっては、楽曲のありようがすべてであって、その意味では、私にとって、旅する「さりとて」を意味するライヴ盤が出るというのは、予想外の出来事だった。
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