300 BASSES
Alfredo Costa Monteiro - Jonas Kocher - Luca Venitucci
『SEI RITORNELLI』
Potlatch|P 212|Digipack CD
曲目: 1. Fuoco Fatuo (10:35)、2. Abbandonado (7:42)
3. Gira Bile (4:46)、4. Mala Garne (10:08)
5. Maledetto (7:54)、6. Fantasma (7:04)
演奏: Alfredo Costa Monteiro (accordion, objects)
Jonas Kocher (accordion)
Luca Venitucci (accordion, objects)
録音: 2011年11月23日-25日
場所: L'Arc Romainmôtier, Switzerland
デザイン: Octobre
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ポルトガル出身でパリに長く滞在したアルフレッド・コスタ・モンテイロ、スイスのジョナス・コッシャー、イタリアのルカ・ヴェニトゥッチという三人のアコーディオン奏者が、昨年の11月、ともにスイスのロマンモティエにある文化施設ラルクにレジデンスしたとき収録された演奏が、フランスのポトラッチ・レーベルからリリースされた。トラッド系の音楽を予想しやすいアコーディオン・トリオのフォーマットだが、その片鱗は微塵もなく、ジャバラから送り出される空気の音だとか、リズムもメロディもない楽器の一音を(ときには複音を)保ちつづけるだけのサウンド・インプロヴィゼーションが展開されている。本盤に先行する試みとして、ソプラノ・サックス奏者のトリオを集めたミッシェル・ドネダの『Placés dans l'air』(2003年)がおなじポトラッチからリリースされているが、和声はもちろんのこと、メロディやリズムを排除してサウンドの地肌をむき出しにするという方向性はまったく変わらない。ソプラノの息のサウンドに相当するジャバラの空気のサウンドというのは、もしかすると偶然ではないかもしれない。なかでモンテイロとヴェニトゥッチは金属系のサウンド、あるいは電子ノイズを出す小物楽器も演奏しており、いっこうにジャバラ楽器らしくないアコーディオンのアブストラクトな響きと絶妙な匙加減でブレンドされている。こうした即興の最新動向は、美術のアンフォルメルに相当する、音楽の皮剥き作業と呼べるようなものだろう。
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